2010年11月27日土曜日

火鉢で炭火珈琲を焙煎する

火鉢でやれること。
焙る、焼く、煮る、沸かす・・・をやってるところはこれまでに紹介しましたが、
まだやってないものがありました。『煎る』です。

煎るものといえば、ごま、豆、茶などありますが、
やはり今時は、「コーヒー」に挑戦してみたいではありませんか。
正確には「焙煎」。焙って煎ります。
コーヒー焙煎なんて、なーんもわからんけれど、とりあえずやってみました!

というわけで、今回の火鉢クラブは、「火鉢で炭火焼珈琲を作る」です。

ちなみに、現在、本屋で売ってる、スヌーピーが表紙のCASA BRUTUSもコーヒー特集です。
今や美味いコーヒー焙煎屋は、ある意味カリスマ的存在だったりします。
東京の堀口珈琲とか、堀口さんとこで修行して、能登半島の先っちょの方、
木ノ浦の海に面した舟小屋でコーヒーのいい香りを漂わせてる二三味珈琲とか。
とあるブログによれば、二三味なんて豆だけで月商400万円だとか。すごい!

まあ、たしかにこうしたカリスマ焙煎コーヒーは、
巨大メーカーコーヒーより全然美味しいのですが、
今の私は貧乏なので、このところMJBの緑色の巨大缶とか買ってました
(安いコーヒーの中ではコレ結構イケる方だと思います)。
今の私にとっては自家焙煎の炭火焼珈琲なんて久々のプチ贅沢ですわ♡
考えてみれば、「炭火珈琲」ってよくあるけど、炭で焙煎してるところって
見たことないですしね。

ちょうどうちには、いまだ使われたことの無い『手網』つうものがある
(一番上の写真に写ってるやつです)。
焙煎前の生豆は、近所にある「やなか珈琲」に売ってます。
というわけで、さっそく豆買いに行きました。

あんまり豆の特徴よく理解していないので、とりあえず「根津ブレンド」というやつを購入。
やる気満々なのはいいのですが、コーヒーの焙煎なんてやったことない。
浅煎り〜深煎りまで味にグラデーションがあって、
浅いと酸味が多くなり、深いと苦みが多くなるという程度の知識しかありません。

ちなみに、この「やなか珈琲」では4〜10までの焙煎度合いがあり、
この根津ブレンドは7が推奨されていて、
「苦みの中に柔らかい酸味を感じる味 シティロースト」とあります。

UCC珈琲のサイト「コーヒー焙煎度の違い」によれば、
コーヒー焙煎は、「浅煎り、中煎り、深煎り」があり、その中でさらに細かく別れ
全部で8段階の焙煎度合いがあります。
その一つがシティロースト。浅い方から数えて5番目の焙煎度で、
深煎りの中でもっとも軽い焙煎です。

そして、上記のサイトの中に、自宅で「手網」で焙煎する方法が掲載されていました。

「手網を使ったコーヒーの焙煎方法」

これを参考に、さっそく「火鉢焙煎」を始めることにしました。

上記のような自宅焙煎の紹介ページでは、たいてい火力はガスコンロを使っています。
炭の火力とはまた違うので、かかる時間は違うのだろうなあと思いながら、
まあ、とりあえず体験体験と思い、行き当たりばったりで始めました。
ここに写ってませんが、手網の金属の部分は焙煎中かなり熱くなるので、
軍手を付けてさわってください。

最初は、網を置いてその上から焙りました。
手網を常に揺すり続けなければならないので、
疲れた時に、ちょっと炭火とは距離を置いて置いとけるようにするためです。
でも、すぐに網は取っちゃいました。炭の場合、あまり上に上げると火力が足りない感じです。
で、こんな感じで、炭の上で揺すって焙煎開始です。

最初はこの位に小さくしか揺すってませんでした。でも、けっこう腕が疲れるのです。
UCCのサイトによれば、3分もしたら豆の水分が抜けてきて、
さらにその後薄皮が剥けてくるとあります。
でも、炭火がガスより火力が弱いのか、薄皮が剥けてくるまでに
5分以上掛かったと思います。

こんな感じ。底の端っこの方に薄い皮のかけらがみえます。
これ軽いので、部屋の中で、フッと息を吹きかけると飛んでって掃除が大変。
蓋をしてれば、この皮が飛ぶことはないので、
ちょっとたまったら、蓋を開けてベランダとかでフーッと息を吹きかければいいでしょう。
混ざると苦くなるので、薄皮は途中で取った方がいいようですね。


このあと10分もすれば、パチパチと音がして、
これが「1ハゼ」(ハゼは「爆ぜる」ですね)といい、これで中煎りくらいだとあります。しかし、最初から15分経過しても20分経過しても、全然パチパチいわないんですよコレが。
さらに30分してもハゼる様子は無い。揺するとカンカン音がするので、
そのせいで爆ぜてるパチパチいう音はもしかしたら聞こえなかったのでしょうか?

本来ならば、煎り始めから15分から20分後くらいには、
「2ハゼ」という第二のパチパチが始まって、豆から煙も出てくるとあります。

ここで「中深煎り」くらい。あとはお好みで焙煎具合を決めて行けるはずなのです。
なのに、なのに、40分経っても煙なんぞ出てこない!
一時間以上経ってもこんなものなのです。中深煎りって感じの色ですが、煙は出ない。
それに、あのコーヒー豆を煎る香ばしいいい香りも全然してこないのです・・・。
しかし、根津ブレンドはシティロースト(深入りの入り口)がおすすめとあったので、
あんまり煎ってると苦くなると思い、半信半疑のまま、この辺でやめました。 

熱くなった豆は、団扇であおいで粗熱をとって冷まします。
そして、しばらく置いて完全に冷めてから豆を挽きます。
煎り立ての豆はまだガスを含んでいるので、コーヒーとお湯と馴染みにくいらしく、
あっさりした味になるそうです。濃いのが好きな人は2日くらい置いた方がいいらしい。
 
 
焦げっぽい色の豆は外して、引きました。だからか、引いた豆の色は結構薄かったです。
で、私の初焙煎コーヒーが抽出されたわけですが、なぜだかこの写真を撮るのを忘れてるんですよ。
自分でも何故忘れたのかを忘れてしまいました。あまりにも衝撃的な味だったからかもしれません。

パチパチいわず、煙も出なかったコーヒー豆のお味は・・・。
なんと、ものすごく酸っぱかったのです。1時間以上も煎ったのに・・・。
やはり、煙が出なかったというのは、焼きが足りなかったのか・・・。

炭火が弱すぎたのでしょうか。

そこで第2ラウンドに挑戦。
今度は、炭の数を増やして、火力を強め、そのかわりに揺する勢いを強めてみました。
以下のVTRでも分かりますが、割り楢炭を1つ足して5つにしました。

以下のVTRは、揺すり始めて10数分経った時点のものなので、
足した炭はまだ黒いですが、他は黒い部分がなくなっています。


この勢いで揺すり続けると、手首が痛くなります。
なので、途中で10秒〜30秒くらい休むんですが、
その時、手網をそのまま五徳の上に置いといたら、
豆が焦げたのか、煙が出てきたんですよ!
おお、あわてて手網を持ち上げて、再び揺すると、豆の間からさらにモクモク。
わー、こういうことか!!!

なのに、このときの写真がまたまた撮れていない。すいません。

さっきの酸っぱいコーヒーの反省もあって、
今度は超深煎り、黒光りするようなコーヒーにしようと、あと数分煎り続けました。

そして、始めてから20分〜25分くらいでしょうか。
ここまで黒く焙煎しました。

冷まして、引いて、こんな感じに入りました。
お味の方は・・・苦い。さっきの酸っぱ味も少し感じます。
さっきにくらべれば、随分飲める味になっていますが、
プロの味には遠いかもという感じです。
ただ、このとき濃く入れすぎたみたいで、お湯で少し薄めオリゴ糖を垂らしたら、
香ばしいおいしい珈琲になりました。
ミルクを少し入れたら、なおいい感じ。かなり美味しい!
なんだ、旨いじゃないか!
ただ、残念なことに期待したほどの香りはないんですね
どうやったら、あのいい香りがぷ〜んと立ち上るのだろう。

豆の問題なのか、私の焙煎法の問題なのか・・・。多分焙煎の問題なんでしょうね。

そうなんです。今回の焙煎の一番の問題は、
あのコーヒーのいい香りを立てられなかったこと。

カリスマ焙煎のお店からは、あのいい香りが漂って来るからこそ
人を引きつけ、幸せな気分にさせるんですよね。
能登の二三味珈琲が評判になったのも、
青く広い海をのぞんでポツンと建つ古い舟小屋から、
ふっと、香ばしい珈琲の香りが漂ってきたからです。
香りこそ珈琲の命。
今度こそ、あのいい香りが立つ方法を見つけたいです。

味も、本来は、最終的に作りたい味を想定して、
豆の種類を選び、火力や焙煎度合いを決めていくんですよね。
その想定の味を実現するためには、焙煎技術が必要。

それに、豆と焙煎の順列組み合わせを考えたら、
味の種類はワインどころじゃないよな・・・。
コーヒー界で「神の雫」やる?

「コーヒー焙煎」やはりそんなに甘いものじゃなかった。
豆の煎り具合一つで、同じ豆でも味が全然違うとは聞いていましたが、
今回まさにそれを実感しました。これはハマる人がいるのも分かります。

あの香ばしいコーヒーの香りを引き出すにはどうすればいいのか?
今後の研究課題がいっぱいです。って、焙煎師になるつもりじゃないけどw

でも、楽しかったですよ〜。
作る行程を見るのって、何であっても楽しいもんですねえ。

手網が無い方は、フライパンでもできるそうです。

1 件のコメント:

  1. こんにちは。
    私もコーヒー豆は自分で焙煎しています。
    とても便利なものがあるんですよ。
    これなら多分初心者でもあまり失敗なく焙煎できます。

    「煎り上手」
    http://shop.slowbusiness.org/index.php?main_page=product_info&cPath=88_96_139&products_id=410

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