この熾すという字って、火を熾すほかに使うことあるかなあ?
「熾烈」くらいしか知らんけど。
火編に「織」「識」の旁。なんか、小さい所から少しずつ編んで体系化して大きくしていくということか。
原始時代に行われていたマイギリ法といわれる木の棒の摩擦で火をつける方法だと、
徐々に火がついていくからこういう字なんでしょうか?
というわけで、今回は今更ながら「炭火の熾し方」です。
「火など急ぎ熾して、炭持て渡るもいとつきづきし」と枕草子にもあるように、
火鉢ライフの中で、火を熾して火鉢に入れるまでというのは、
冷たい空気の中に火がついてほっとする瞬間。まさに“つきづきし”瞬間です。
といっても、火を熾すのはしごく簡単で、拍子抜けなんですけど・・・。
この「火熾し器」に炭を入れ、ガスにかけて5分〜10分置いとけば、
炭の下半分が赤々としてきます。家庭で炭を熾す場合は、この方法をおすすめします。
もちろん換気扇は回してください。
「火熾し器」はネット通販でも合羽橋でも、近所の金物屋でも、
ホームセンターでも、結構どこでも売ってます。
ガスに乗せると、こんな感じで、パチパチ音をさせながら火が付いていきます。
この音もいい感じなのでVTRも撮ってみました。火花とかはこの程度。
以前も書きましたが、炭は湿気を含んでいたりすると、パンパン爆ぜることがあります。
「爆跳」というくらいですから、まれに割れた炭が飛び散ることもあります。
(このVTRを撮ったときは全然爆ぜませんでした。)
炭には備長炭のような固い白炭と呼ばれるものと、
クヌギや楢炭など比較的柔らかい黒炭と呼ばれるものがありますが、
私の経験では、品質の良い黒炭はあまり爆跳はないと思います。
今回使ったのは、能登の大野製炭工場の楢炭ですが、
この炭もこれまでほとんど爆跳を起こしたことがありません。
備長炭などはもとが固い分、湿気ていると、パーンと激しく爆ぜることもありますので、
火鉢では、黒炭をおすすめします。
また、冬になれば空気が乾燥するとはいうものの、湿度が高い日だってあるので、
湿気を取るために、湿気とりシートを炭の箱の中に敷いたり、
乾燥剤を箱に一袋入れといたりするのもいいかもしれません。
そして、なるべく乾燥した状態で火を付けるようにしてください。
そうすれば、ほぼ爆ぜることはないと思います。
とはいえ絶対爆ぜないとはいえません。
火熾し中に、上から炭を覗き込まないでください。
また、火熾し器には蓋付きのものもありますので、キッチンのガスコンロでは、
そちらを利用されてもいいかもしれません。
ガスで炭火を熾す場合の注意
と、このようにガスに火熾し器を乗せれば、簡単に炭を熾すことはできるのですが、
当然のごとくに意外と気がつかない注意点もあります。
炭の熱の問題です。
炭を熾すと、当然炭も熱くなるので、その炭の熱で、
ガスコンロの炎の吹き出し口が熱く熱せられ、
金属コーティングなどが焼け付いて表面がガサガサになってしまうことがあります。
炎の吹き出し口が鉄むき出しならとくに問題ないんですが、
最近の作り付けのガスコンロは、コーティングされた金属板が乗っかってることがあるので、
お気をつけ下さい。
また、だからといってカセットコンロではやらないでください。
ガスボンベが炭の熱で熱せられて、爆発する可能性があるそうです。
その他の道具
火のついた炭を離れた火鉢に運ぶためには十能という道具もあります。
今、写真がないのですが、売ってるお店のサイトをリンクします。
「台十能」http://www.masudaya.co.jp/shop/dan/f607.html
これは、直接置けるように、木の台がついたものです。見た目も麗しくいい感じ。
私は現在これ持ってないんですよね。
空いてるミニ火鉢が火熾し器置き場となっております。
というわけで、換気には十分気をつけて火を熾して下さい。
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