2011年6月19日日曜日

洗濯機の寿命と娯楽としての手洗いのススメ

「火鉢クラブ」は、炭火に限らず、いろんな楽しい暮らしの提案をしていくつもり
ですが、まさに今日、自分の生活の中で、お、これ意外にイイかもって思う事があ
ったので、お伝えします。

「手洗い洗濯」です。

まずそもそもは、うちの洗濯機が壊れかけていることが事の発端。
もう20年近く使っている洗濯機なのですが、とうとうその寿命を迎えようとして
いるのか、今朝はどうしても動かなかったのです。いつもは、いろんなボタンを闇
雲に押していると動き出したりするのですが、今朝はピクリ、くらいで止まってし
まう。ただ、完全に動かなくなったわけではないようで、また気まぐれに動き出す
かもしれない気配でした。

この洗濯機、もう1年くらいずっと調子が悪いのです。
全自動なんかとっくのとうにできなくて、洗濯、すすぎ、脱水その都度止まっては、
スイッチを入れ直しに行っていました。最近では、年老いた人のように、陽気のい
い時には動くけれど、寒さで縮こまる日には、ボタンを押してもピクリともしない
いう日が続いていました。それでも、適当にいろんなボタンを無造作に押してい
たりすると、突然動き出して洗濯を全うする事ができました。
全自動洗濯機のくせに、2層式なんかよりもずーっと、洗濯機の側にいる時間が長
いという、不思議な1層式でした。

持ち主が買い替えを考え始めるとパソコンが自ら壊れてしまう事がよくあるといい
ますが、洗濯機も歳を取るほど人間のような動きをするのかなあとしみじみ
今日の調子はどうだろうか。ちょっと寒いけど今日は動いてくれるだろうか。気温
や湿度を気にしながら、ふつうなら買い替えるであろうめちゃめちゃ調子の悪い洗
濯機を使い続けてきたわけです。普段動かない分動いた時は嬉しいし、すごく年寄
なのに今日はがんばってるわと思ったりして、どうも買い替える気になれません
でしたこのところの経済状態では買い替えるのもままならないというのもあっ
のですが・・・。

にしても、新しい洗濯機も買わない、今の洗濯機も動かない。
ではどうするか。

コインランドリーに行ってみたら、なんと今日に限っていっぱいでした。
それではたと思いついたのが「手洗い」です。

「そーだ、手洗いしよう!」

時間がかかるとはいっても、コインランドリーを行き来する時間を考えたら、
かかる時間は実質は変わらないはず。それに、手洗いって、結構運動になるのでは
ないだろうか。そう思ったのでした。

考えてみれば、常々私は、家事を楽にして時間を作って、その時間でスポーツジム
に行ったりする事にやや違和感を感じていました。
いろんな家電製品のおかげで家事は随分楽になったけれど、そのせいで脳みそしか
動かさないという人が増えた。そして、それでは身体がなまると、現代人はせっせ
とスポーツジムの動く道路で走っているのです。
そんなこと言ってる私も、一時期スポーツジムに通ったことがあります。
しかし、走っても走っても変わらない都会の夜景を見下ろしながら、風も感じず、
動く歩道の上を走る自分にはなにか違和感がありました。かつては体育館や運動場で
土ぼこりや汗にまみれてやっていた運動を、ジャグジー付きのサロンみたいなところ
でやるってことに対し、セレブでもないのになにか勘違いをしてない?似合ってない
よという言葉が脳裏をよぎりました。しかしいちばんの違和感は、忙しい忙しいとい
いながら、家事という運動を家電というロボットにまかせてジムに通うという本末転
ではなかったかと思います(ただ、プールで泳ぐのはちょっと別物かなと思います)。
もちろん、身体が動かなくなってきたら、電化製品に頼らねばならないし、家事家電
が無くていいと言うわけではありません。それに、若い人にも「使うな」というわけ
じゃない。私だって使ってますし。
家電を使う事で得ているもの、また失っているものは何かということを、ちょっと意
識してみてもいいんじゃないだろうかと思ったのでした。

まあ、そんなこんなで、
この際、汗かきながら洗濯やってみるのもよかろうと思ったわけなのです。
実際には、ふと「やってみよう!」と思っただけで、その一瞬の脳の動きを、後から
説明すれば、以上のようになるというだけのことです。長々すいません。

というわけで、早速手洗いしてみようということにしたのですが、といっても、
うちには洗面器しかありません。
やはり、本格的に手洗いするとなるとたらいが必要です。そこで、早速その足で、
近所の荒物屋にたらいを買いに行きました。こういうときに、歩いて行ける範囲に
荒物屋なるクラシックなものがあるこの谷根千地域の環境に感謝です。

せっかくだから、気分を出そうと思って、トタンの金だらいを購入。
ドリフのコントで上から落ちてきていたアレです。
ただ、あまり大きいと置く場所もないので、やや小さめ。
それと、洗濯板も買いました。なんだかんだいってまだ売ってはいるのです。
子どもの靴下の泥汚れなどを落とすため、小さい洗濯板を買ってく人が時々いるんだとか。
私が嫁入りする時はこの金だらいと洗濯板を持ってきたもんよと言ってた店のおばちゃん
は、今年78歳だそうです(70そこそこにしか見えないのですが)。

ところで、この金だらい、直径48cmの大きさで2800円でした。
ちなみに洗濯板は1800円
高いと思うか安いと思うかは人によって違うんでしょうが、
同じくらいの大きさのよくあるブルーのポリのたらいが1200円。
洗濯に使うってことだけ考えると倍以上する金だらいは高い気もしますが、
このビジュアルだと、夏、氷水を貼ってスイカやキュウリを浮かべたりしてもイケル感じ。
今後の火鉢クラブの活動を考えたら、断然金だらいの方が用途が多く、お得であるに違い
ない(実際のイベントのときにはちゃんと新しいヤツ使いますよ!)。
というわけで、ポリではなくトタンの金だらいにしました。

ちなみに、この金だらいを作っている会社。
写真のたらいの真ん中に「DOIAEN」と書いてあるのですが、多分これ「土井亜鉛」で、
「土井金属化成株式会社」http://www.d-k-k.jp/index.htmlというところのもののようです。

とあるサイトの情報だと日本で唯一残る金だらいメーカーということですが、ググると
ほかにも金だらいを作っている会社はあるようです。しかし、写真を見ると、金だらい
でも素材が違っているようで、こういうドリフのコントに出てきたようなトタンの金だ
らいを作っている会社はここだけってことなのでしょうか?要リサーチですわ。


ということで、風呂場で洗濯開始。
石鹸はカネヨの純石鹸分98%の洗濯石けんで環境にもgood。1個120円

たまっていた靴下15足ほか、綿シャツ5枚、パーカーなど洗いましたです。
斜めに置いた洗濯板は思いのほか使い勝手がいい。
左手でつかんで右手でごしごしってやっていましたが、運動の意味も考えて、
左手でもごしごしやってみました。なんだか腕の運動になってる気がする〜。

実は、私は昔から腕力と握力が弱いのです。
学生時代スポーツは得意な方で、体力測定の数値もほとんどの項目で平均を上回
っていました。しかし、なぜかボール投げが苦手で、握力にいたっては平均25~
26くらいのところ、私は20いかなかったんじゃないかと記憶しています。
崖から落ちそうになっても枝にもつかまれない、サバイバル能力が低い身体なんだ
という認識がどっかでずーっとありました。

それが、洗いからすすぎを経て、靴下3本を一度にぐっと絞ったとき、握力が鍛え
れるのを実感!これは、一石二鳥。なんだか、二の腕にも力がかかっているし、
思ったよりいい運動です。これはまじに、手洗い続けたら、握力が強くなってくかも
と思いました。また、お湯を使ってるから、ホットヨガをやっるみたいで、結構汗
も出ます。お風呂に入ったとき一緒に洗ってしまえば、汗もいっしょに流せます。

運動になるだけじゃありません。
洗濯物をバシャバシャすすいで、水がだんだん濁って、水を変え、次第に澄んで行く。
桶に手を突っ込んで、どういう風に洗濯物を揺すれば、もっとも泡が早く落ちて行くか、
小刻みに手の平を動かしてみたり、洗濯物をつかみ洗いしてみたり。
いつもは洗濯機が勝手にやってる事を、自分の目で見て手を使って、より効率的にやろう
とするのは結構楽しい体験でした。

ただ、ちょっと大きなものは絞るのが大変。特にパイル地のパーカーみたいなものは
水をよく含むので、スゴく重くて脱水機が欲しくなります。

まあ、洗濯機が復帰したら、脱水だけは脱水機でやってもいいかもな。
 一張羅のシャツも手洗いしました。ドライマークがついてるのもあったけど、自己責任ざんすw
こういう綿シャツは手で絞るとシワシワになりますし、もしかしたら、
絞らずに水浸しで吊るしとくという手もあったかもしれません。

 手洗いマークをまさに手洗い!なんて思ったけど、最近の手洗いマークは洗濯機の手洗いコースを
想定してるんでしょうか?本当の手洗いは、結構摩擦もスゴいと思うからな・・・。


あんまり、手洗いだけにこだわる事も無く、ゆる〜く手洗いを楽しむ感じが
長続きの秘訣かなとも思います。まあ、私はしばらく洗濯機を買わないと思うので、
洗濯機の機嫌が直って動き出したら、脱水は洗濯機でやろうかなと思いますが、
大抵のお宅の洗濯機は元気でしょうから、この手洗い洗濯、気分転換として、
たまにやってみるってのはどうでしょう。「娯楽としての手洗い洗濯」でしょうか。
庭があるお宅やベランダが広いお宅なら、天気がいい日は、庭にたらいを出して
バシャバシャやるともっと気持ちいいと思います。

固形石鹸で洗うと泡切れもよく、水もそんなに使いませんし、節電にもなります。
いろんな意味で一石二鳥だとも思います。

せっかく私たち人類が開発した文明の利器。まったく否定する必要はないと思います。
実際、洗濯機というのは、お母さんの腰痛も減らしただろうし、腰の曲がったおじい
ちゃんおばあちゃんでも使えるし、かなり優れものだと思います。

その機械達に自分の仕事を肩代わりしてもらった代わりに、私たちは何を得ているのか、
その得たものは価値あるものなのか、はたまた何を失っているのかを意識しながら、
機械を使おうよってことだと洗濯しながら思いました。


たまの手洗い、水遊びでもあり、洗い上がるという達成感もあって、結構おすすめです。


4 件のコメント:

  1. 今日、1日火鉢カフェへおじゃましました。
    おいしく、楽しく、火とお酒とともに、おしゃべりを楽しみました。
    水・・・ポリタンクに蛇口をつけて、キャンプスタイルでやってはどうかな?

    洗濯・・・前から、手洗いもしてたけど、昨年から、もっぱら手洗いに移行しました。きれいになるし、水も電気も洗剤も少なくて済む。握力、腕力も鍛えられる。

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  2. 火鉢カフェご来店ありがとうございました!楽しんでいただけてなによりです。去年の火鉢カフェでは、桐炭で濾過した水を使ったりしましたが、今回はそこまで手が回りませんでした。ポリタンクに炭を漬けとくだけでもいいですよね。考えてみます。

    洗濯ですが、その後、この洗濯機は寿命を全うし、完全に止まり、引き取られて行きました。手洗いの回数は減りましたが、本当に洗濯は運動になるんですよね。火鉢クラブで間伐材洗濯板作ろうかなあと思ったりします。今後ともよろしくお願い致します。

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  3. たのしく洗濯の様子をよませていただきました。私も、一年位前から手洗いしています。きっかけは3.11です。電気だけでなく身の回りの生活に関するいろんなことを考えさせられました。
    洗い桶は、マンションの不燃物ごみの日に捨ててあったものを頂戴して使っています。手間はかかるけれど、洗い終えた爽快感はたまりません。特にタオルなどは自分で洗ったと思うと顔を拭くのも愛おしくなります。可笑しいかもしれないけれど大げさではない感想です。柔軟剤もなあんにも使いません。お天気の悪い日に洗ったタオルはなにかしら臭うと家族に指摘されていましたが、手洗いにして一切言われなくなりました。時間の無い日や厚手のものはやむなく洗濯機の力をかりますが、あの膨大な水道の量をみると怖くてスイッチを押すのに躊躇するようになりました。手洗いの節水は素晴らしいですから。長くなってしまいましたが、共感して書いてしまいました。

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  4. コメントありがとうございました。その後、件の洗濯機はとうとう動かなくなってしまい、新しい洗濯機がやってきました。以前に比べて暇な時間がなくなったのもあって、手洗いの回数も減ってしまいましたが、暖かくなってきたので、水遊びがてらまた手洗いしてみようと思います。特に靴下は手洗いがいいですね!ああ、あとは洗濯できる庭が欲しい。昔の井戸端会議しながらの手洗い洗濯って、青空の下で気持ちよかったかもしれませんね〜。

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