2011年5月6日金曜日

原木椎茸販売終了『ああ、商売は難しい』&『原木椎茸で里山再生』

昨日5月5日こどもの日に、谷中夕焼けだんだん上の中華料理店「深圳」前の広場で、
愛媛県内子町小田の原木椎茸を販売しました。

他に、雑貨屋さん2軒とパン屋さん(この日はケーキ類を販売)が一緒でした。
 参加されている方は、すでに店舗を持っている方、これから始めようとしている方など様々。

雑貨の
「東京キッチュ」http://www.tokyokitsch.com
店舗:東京都荒川区西日暮里4−27−7

「COCOKO」http://cocokoron.exblog.jp/ 

パン、ケーキは
根津のダイニングバー「あるたい」さんのハンドメイド
「あるたい」東京都文京区根津2−27−8

で、「火鉢クラブ」のお店はこーんな感じでオープン。
今回は原木しいたけのロゴも作成し、
かなり本気の原木椎茸アピールとなってます。もはや、原木椎茸は火鉢クラブの顔ですなw

火鉢クラブですから、当然炭火で椎茸を焼いてみなくてはいけません。
で、焼いてみたわけですが
今回、通りがかる人々が一番反応したのが、この椎茸を焼いてる匂いです。
火鉢クラブの面目躍如!

ほんとに良い匂いなんですよ〜。みんな何だろうと思って振り返ると椎茸!
矢野顕子の「ふりむけばカエル」ならぬ、「ふりむけばしいたけ」ですよ。

若い子も指差して、「あ、しいたけだあ〜」とか言ってましたから。
しいたけアピール度高し!

というわけで、「原木椎茸、キテる?」なんて思ったのですが、
現実を振り返ると、やっぱ、商売って難しいわ、が実感です。

椎茸とか単価の小さいものを売って生活して行くのって大変だよな〜と
お金を稼ぐという事にいまさらながらいろいろ考えるところのあった露天販売でした。

とはいえ、原木椎茸をアピールして行く事の意味みたいなもんとか、
面白さも発見出来た販売会でした。
では、その辺の感想も交えて、今回のレポートです。



<初の原木椎茸だけの販売〜商売は厳しい>

そもそも、火鉢カフェ開催時のみに販売していた原木椎茸でしたが、
今回は、はじめての椎茸単独販売でした。

今回とどいた椎茸はこちら。原木椎茸のとれる時期ももう終わりなので、
今回、なかなかこれだけの量を集めてもらうのは大変だったようです。
ほんとうに小田のみなさまありがとうございました。

やはり、時期もおわりなので、形も重さも随分ばらつきがあります。
当初は、大と小にわけて、◎個◎円で売ろうかと思っていたのですが、大と小のカテゴリーに分けるのも難しいと思い、グラム売りにしました。

でも商売としてはこれが失敗だったかもしれません。

これまでの火鉢カフェでの販売では、
袋詰めで送ってもらって袋単位で売ってたので利益も見えたのですが・・・。
一度全体の重さを量って、単位当たりの原価を出すべきでした。
箱から出して測っていると椎茸の傘がちぎれたりするので、あきらめて、
以前パック詰めで送っていただいた時の量を思い出して、だいたいで値段を決めたんです。

だから、100gの袋が何袋とれるのかがはっきり分からないままの販売開始となり、
儲けが出るかどうかは一か八かの賭け状態になってしまいました。
商売としてはあり得ないと思いながら、
前日夕方届いた椎茸を、丁寧に時間をかけて重さを量る余裕がありませんでした。

で、一か八かで臨んだ販売当日。
100g250円にしました。
上の写真の一枠に入っている椎茸が、100gですが、どうですか?
この量で250円は高いと思いますか?安いと思いますか?

この量だったら、スーパーで売っている198円くらいの菌床椎茸より
多いんじゃないかという気がします。
それを考えたら、格段においしい原木椎茸がこれで250円は安いと私は思うのですが、
まあ、売る側だから、おおっぴらにそうも言えません。


出島P火鉢クラブでは、卸価格を設定せず、
道の駅で売ってる値段で買ってそれを東京で販売してます。
そもそも道の駅って安いのですけどね。
ぶっちゃけ原価をバラしますと、だいたい普通の大きさので1個22〜23円くらいの感じ。
多分、今回の100g分は150円分くらいじゃないかと思います。
単純計算で100gあたりの儲けは約100円になるはずですが、
送料1050円で、まず10個分はただ働き。
あと、箱の中で割れちゃってるヤツとかをはじいて、試食分とか、売れ残りとか、
販売終了前の割引とかいろいろ換算すると、儲けってほんとに出すの難しいんですよね。

とはいえ、原木椎茸の育ち方を考えると1個25円弱っていうのは安すぎやしませんか?
原木椎茸って、収穫までに1年以上かかってるのです。
原価があがると、私の儲けはもっと減るわけですが、
そういうことより、ものの価値の評価として、25円は安いよなあと思うんです。
世の中どんなもん食べさせられてるか分からない時代に、
自然栽培、めちゃおいしい原木椎茸がこの値段って・・・。

そんなことを考えると、自分の儲けの話を別にしても、
これだけのしいたけを250円という値段で売るという事が
妥当だろうかと疑問に思えてくるのです。

ただ、今回、観光客も多い休日の谷中での露天販売ということで、

お客さんのターゲットが絞れないという部分もあり、
あんまり高いと売れずに余ってしまうかもな〜とも思いました。
お客さんの反応を見ていると、この250円という価格を、思ったより多くの方が高いと受け取られていたようでした。

もう少し高かったら、もっと余っていたかも・・・。


というのも、原木椎茸のおいしさというのは、まだまだ知られていないんですよね〜。

中には、原木と菌床の違いを知らないというかたもたくさんいらっしゃって、
「原木」ののぼりを見て、『「厚木」から来たんですか?』と勘違いされる方もいたくらい。

原木の良さを知らなければ、通常のスーパーなどでの菌床椎茸の値段を考えると
250円は高い気がしますよね。多分、そういう方が多かったのかなあ。
100gの量を確認して、やっぱりやめとくとおっしゃる方もいました。

一方、原木の美味さを知って、もうこっちしか食べれないという方もいて、
安いと言って800gまとめ買いしていかれていました。

一度食べていただければ、その違いは必ず分かってもらえると思うのですが、
まだまだ、原木椎茸とふつうの菌床椎茸の本質的違いって認知されていない。

今回から『原木しいたけ』というロゴを作って、
『原木』を強調した販売方法にしたのもそのためです。


『原木栽培』の椎茸を応援したいのです!



<里山を守る原木椎茸>


おいしいという理由だけではありません。
これは火鉢クラブの設立趣旨でもありますが、
炭にしろ原木しいたけ栽培にしろ、「里山再生」に役立つのです。
これまでにもこのブログで書きましたが、内子の原木椎茸栽培を行う原木は、
内子で菊炭の原材料になる「櫟(くぬぎ)」です。
原木椎茸は、火鉢クラブのシンボルマークである菊炭になる櫟の木から生えてくる。
そして、こうした産業で木を使う事が、里山の整備にも繋がり、
山の健康が保持されるのです。

パルシステムが、原木椎茸の販売を広く行っているのも、原木椎茸を生産する事が、
つまり原木を山から切り出す事が、里山の再生につながるという環境保護の観点からの
ようです。

ただ、私たち出島プロジェクトの火鉢クラブでは、
そうした自然保護の観点は当然の事ながら、
「楽しい」「オモロい」「うれしい」「わくわくする」という点にも
重点をおきたいと思っています。

笑顔を呼ぶ商売。
あくまでも「ふりむけば、しいたけ」の精神です!
しいたけに言われちゃしょうがない、しいたけのふりして笑っちゃうw

原木から椎茸が生えてくる姿のかわいらしさ、はたまた奇妙さ、森の不思議、
そして、焼けてくる時のいいにおい、ぷりっぷりの食感、もちろんしいたけを焼くのは、
もうひとつの森の恵み「炭」です!

<ふりむけばしいたけ>
♪悲しい わたし悲しい その時
「おいらを食いな」と声がして
ふりむけばしいたけ、その匂いはしいたけ
しいたけに言われちゃしょうがない
しいたけに言われちゃ笑っちゃうw


考えてみれば、私は子供の頃、椎茸が嫌いでした。
それが食べられるようになったのは、
25歳くらいのとき、テレビディレクターとして旅番組の仕事で行った出雲の宿で、
裏庭の原木椎茸を「焼き」と「天ぷら」で振る舞われた事がきっかけでした。
しいたけってこんなに美味いものだったのか・・・。
それ以来、しいたけ大好きです。
たしか、出雲・立久恵峡が目の前に見渡せる温泉宿だったよなあ。
五右衛門風呂があって、娘さんが薪を入れて焚いてくれた。
今考えれば、まさに火鉢クラブな宿だったのだった。宿の名まえを失念。
その時のビデオもとってなくて・・・。大仏の横顔した奇岩もあって、いいところでした。

話が逸れてしまいました(汗)。

椎茸販売の話に戻しますと、
結局、今回送ってもらった椎茸の85%くらいが
ちゃんとお客さんの手元に渡っていったんじゃないかと思います。

15%は、試食に出した分、箱の下の方でひしゃげたりして売り物にならなかった分
(売り物にならなかったしいたけは、七輪の上で焼かれて、匂いをいっぱい出してくれました)。
あと、自家消費分として200g。
純粋な残りは、こうして干し椎茸にするべく天日干し中です。これも後日販売出来るか?

で、最後にもう1枚の写真を紹介。
今回は、谷中の深圳前で場所を固定して販売しましたが、
ここまでの移動はこのような形で行いました。ほとんど行商スタイル。

小さい子どもが二人乗れるバギーを借りて、荷物を載せたのですが、
これが結構、様になってると思いませんか?
ただ、夕方になってこのスタイルで谷中周辺を一回りしたのですが、
怪しいと思われたのか、一個も売れませんでしたw
もとの場所に戻って、止まって売ってたら、少し売れました。
行商は、やはり、毎日根気づよく歩いて、認知してもらって、
お得意さんを作っていかないとダメですね。

とはいえ、この行商スタイルなかなか気に入ったので、
原木椎茸が出始める次の秋には、このスタイルで挑戦してみようかなあ。

また、「原木椎茸」と「菌床椎茸」の違いや、
「原木椎茸と里山再生の関係」などについては、あらためて書きたいと思います。

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