2018年12月24日月曜日

クリスマスオーボエナイト報告・みなさまありがとうございました

火鉢バー初めての音楽プチディナーショー「クリスマスオーボエナイト」。会場いっぱいのお客様にご来場いただき無事終了致しました。オーボエ演奏は関西から小林千晃さん、キーボードの伴奏は小林さんとこれまでもご一緒されたことのある宮本令子さんにおいでいただきました。

小林さんにはわざわざ大阪から来ていただいた上、ほぼボランティアで演奏いただいたにもかかわらず、曲のセレクトから構成、さらには、こちらからリクエストした曲にも対応いただき、楽譜の準備や練習時間を考えたら、プロの演奏家の方にここまでやっていただいて、本当になんとお礼を言っていいかわかりません。千晃さん令子さんありがとうございました!

私は音楽に造詣が深いとは言えないのですが、音楽は大好きで、死ぬまでに何かやり残したことがあるとしたら何ですかと問われたら「音楽」って答えそうですし、子どもの頃に習ってなくて後悔するものは「楽器」ですし、いつも鼻歌歌ってますし(鼻歌かい!)・・・、なので、火鉢クラブでもいずれ音楽を聞きながらお酒を飲む会をやりたいと思っていました。そして、週末に喫茶でアルバイトし、火鉢バーのために場所を貸していただいている隣町珈琲で出会ったのが小林千晃さんでした。

彼女は隣町珈琲でときどき講座をやって下さっている僧侶で学者の釈徹宗さんの教室の生徒さんで、隣町での釈さんの講座の前に、時々、ミニコンサートを開いて下さっていました。そこでの千晃さんの演奏、曲のセレクト、合間のトークの絶妙な間に触れ、私は彼女が大好きになりました。

クラシック音楽(いえ、全ての音楽ですね)をリスペクトしつつ、しかし、その権威にひれ伏す事無く、飄々と自分の好きな曲を演奏しながら、合間のトークで、私たちをニヤリとさせたり、クスリと笑わせる一言を発する。そして、その笑いの向こうにはちょっとした毒も見え隠れし、ほんわかした風貌の内側で、ものごとの本質を射抜いているような・・・そんな何かを感じて、私は小林千晃さんという演奏家が好きになりました。

隣町珈琲にいらっしゃる精神科医の名越康文先生が、彼女を「妖怪笛吹き行燈」と評し、その理由を音楽に向き合っている時には人間離れした雰囲気(まさに妖怪)を醸しているからとおっしゃっていましたが、まさに、そんなところに魅かれた私でした。そして、あるとき、小林さんに演奏会のお願いしてみたところ、こころよくやりましょうと言って下さいました。

けれど、それはあくまで火鉢バーが隣町珈琲でやっているものだからで、千晃さんが隣町珈琲を愛して下さってるからで、私がどこかよそで火鉢クラブのイベントとして彼女のコンサートを企画しても実現はしなかったと思います。そういう意味で、隣町珈琲の店主の平川さんと店長の栗田さんにもお礼を言わねばなりません。千晃さんはいつも、隣町珈琲で演奏するのは楽しいと言っていて、そういうこれまでの積み重ねが、今回の私の無謀なお願いを実現させてくれたわけですから。

そして、前出の釈徹宗さんも名越先生もfacebook上でこのイベントをシェアして、告知に協力して下さいました。これは千晃さんがお二人に愛されている証拠。ここでも私は助けられました。

さらには、今回食事の準備や片付けを手伝ってくださったみなさま、キーボードやアンプを貸して下さった方、リハーサル場所の提供を申し出てくださった方、そして、ご来場下さったみなさまの笑顔。本当にいろんな方の助けの元に、今回のオーボエナイトは盛況のうちに終わる事ができました。ありがとうございました!

今回の選曲については、オーボエになじみのないお客様がいらっしゃることも考え、CMなどどこかで聞いたことのある曲もリクエストして盛り込んでいただき、間口を広げたセレクトにしました。しかし、実際にふたを開けてみれば、お客様の感想で多く聞かれたのは、千晃さんがラスト2曲に選んだ、ベッリーニの「愛しい月」と武満徹の「小さな空」が良かったという声。

千晃さんも今回のお客さんの反応を受けて、ご自分のFacebookでこう書かれています。
『演奏者は選曲を攻めた方が良いと思います。
よく聴くから、知ってるから、安心するとも言えますが、初めて聴くけど好きだ、ということがあるわけでそこを私達は積極的にすすめた方が良いと思います。』

そうですよね。私も、分かりやすい曲から入ってみなさんの興味を・・・って思っていましたが、ちょっと浅はかだったかもしれないと気づかされました。私は千晃さんが届けてくれる「新しい出会い」をこそ意識せねばならなかった・・・。そして、それは千晃さん自身がやってくださいました。

音楽にしろ、美術にしろ、文学にしろ、そして、人にしろ、「出会った!」と思えることほど、嬉しいことはありません。

演奏家がその曲に出会った時の感動があるからこそ、聴く人にもそれが伝わる。もちろん、プロの技術でどんな曲でも作曲家の意図を読み、素晴らしい演奏をして観客を感動させる事は可能なのだけれど、でも、今回のような小さな演奏会では、普通のコンサートとは違う何かを受け取って帰って欲しいから、やはり「選曲は攻めた方がいい」ですよね!

その他のお客さんの感想としては、グノーとシューベルト、違う2人の作曲家の「アベマリア」の聴き比べもスゴく好評でした。作曲家は違えど同じタイトルの曲をを二つ続けて聴く機会って意外と少ないですよね。これも千晃さんのアイディアです。

会の終わり、火鉢バーでのコンサートという事で、火のある風景を歌った「ペチカ」を再度演奏し、みんなで歌わせてくださいという私の無茶ぶりにもこころよく答えて下さいました。途中、日本の唱歌(冬景色、雪、ふるさと)を会場のみんなで歌おうというコーナーもありましたが、オーボエに合わせて歌うってこと、考えてみたらほとんどの方が初体験だったのではないでしょうか。そんな貴重な体験もさせていただき、本当に楽しい時間となりました。

いろんな方のご協力の下で開催出来た今回のプチディナーショー。私は勉強させられることばかり。そして、音楽とともに過ごす時間はやはり素晴らしいということを再確認しました。そして、オーボエっていいね!ってことも。

演奏会の翌日、片付けも残っていて隣町珈琲に行ったら、帰阪の前に千晃さんが訪ねてみえました。ひとつ用事があったのですが、そのついでにと、片手には巨大な参鶏湯のレトルトの入ったデパートの袋。前の日、風邪気味かなと熱っぽそうな顔をしていた隣町珈琲店長の栗田さんに、身体が温まる差し入れです。そんな千晃さんには隣町珈琲に届いてたリンゴ1個(これはお店で出している100%リンゴジュースのもとになるリンゴです)が手渡され、バッグの中でつぶれることなく無事彼女と共に帰阪。黒いバッグの中で無事旅を終えた真っ赤なリンゴの姿が彼女のfacebookにアップされていました。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10218334081491281&set=a.1468011548146&type=3&theater

この日はお店で音楽以外のいろんな話もできて、12月21、22日はとっても楽しい2日間となりました。千晃さん、本当にありがとねー!感謝です!
本当に音楽って素晴らしいですね!
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