2018年8月14日火曜日

柞hahasoの火鉢・炭火を愛でる七輪



先週になってしまうのですが、銀座のイベントスペースで行われた展示会で、能登半島は珠洲、大野製炭工場の大野長一郎さんが炭と火の道具のブランド柞hahasoの商品を展示されていたので訪ねてきました。

柞(ははそ)という字は樹木のコナラ属などを指す言葉で、古くはクヌギなども柞の中に含まれたそう。つまり、大野さんが焼いている炭の材料となる木の名前です。それを炭火を楽しむ道具のブランド名につけたってわけですね。

右の写真はクヌギの苗です。クヌギを使う茶の湯炭を焼いている大野さんは、その材料となるクヌギを植林しています。以下は茶の湯炭。茶の湯はまずお湯を沸かすために炭をおこすところから始まり、それにも炭点前という名前がついています。炭点前に使う炭は全て形と焚べる順番が決まっています。それぞれの炭には名前もついていて、以下の写真のような感じ。
綺麗ですよね。



今回紹介されていたのはそんな美しい炭があかあかと燃えるところを愛でるための七輪です。七輪ですが、商品名は「hahasoの火鉢」みたいです。火を入れる鉢だから材料は珪藻土でも火鉢でいいのかもしれません。私がやってる火鉢バーも、七輪で炙りものをしてるけど、七輪バーじゃなくて火鉢バーって名乗ってますからいいんですよね。七輪だと炙るだけって感じがしますが、火鉢だと、いろんな形で火を楽しむ感じが出ますからね。


まさにこのhahasoの火鉢もそう言う商品。
中に一つしか炭は入りません。炭の大きさに空いた穴の中に入れるのは、切り口が菊のように美しい、菊炭とも呼ばれる茶の湯炭です。もちろん上に五徳を置けば、お湯を沸かすことも可能ですが、この火鉢では、お湯を沸かす機能よりも、上から見た赤く燃える炭火の美しさを愛でて欲しいとのこと。

お湯を入れたポットも、透明なガラスを通して見る炭火もまた美しいって意味で置いているとか。お湯も沸いて一石二鳥ってくらいのことらしいですよ。

ゆっくりと美しい炭火を愛でながら、透明なポットの水の中に少しずつ泡が生まれ、お湯が沸いていく様子も綺麗ですよね。気づいたらお湯が沸いていて、お茶を入れるためにポットを下ろせば、今度は直に赤く燃える炭火が見える。

一人で過ごすもよし、誰かと過ごすもよし。
静かな空間で、だまって炭火を見つめる。
言葉のない時間というのはかえって心をつなげてくれそうです。

火鉢バーでもいずれ炭火を愛でる会やりたいですね。

今回は東京の販路を作るための出店でもあったわけですが、現在、一部の通販で販売されているようです。

hahasoの火鉢(どんぐり商店街)
http://hibana.co.jp/shop/firetools/hahaso/


柞hahasoのお隣では、同じ能登半島から「ノトノカ」という香りのブランドが出店していました。能登にあるクロモジという木からとった精油とそれを使った石鹸などを販売されていました。ユーカリなどよりはもう少し優しい感じの、まさに日本の森の香り。



ああ、また能登に行きたくなってきました。








「型」って「身体から入る」ってことなのよねえ。今気づいた。映画『日日是好日』予告編

「頭で考えないで、自分の体を信じなさい」


これ、「日日是好日」って映画でのお茶の先生の樹木希林のセリフかな?

茶の湯炭をロゴにする火鉢クラブですもの、お茶の映画にも興味あります!


お茶というどちらかというと静のイメージで、「頭でなく体で」と言われると一見違和感があるが、「型から入る」ってことが「頭ではなく体で」ってことなんだろう。


そうか、「型」ってそういうことだったのか・・・。


形を作るのは体だものねえ・・・。そんな単純なことに今更気づいた。そう考えればお茶はフィジカルだ。私みたいな頭でっかちこそ、「型」から入らねばならないのだな!


50にもなってこんな単純なことに気づくのも、24年かかってやっとお茶がわかってきたというこの映画の主人公みたいでいいじゃないですかねえ。



「世の中にはすぐわかるものとわからないものの二種類がある」

ってのもこの映画のコピーです。